TOEIC®対策:所有と指示についてのコース

TOEIC®で高得点を目指すには、所有と指示の概念をしっかりと理解することが重要です。これらの概念は、「誰(何)が物を所有しているか」を明確にしたり、「具体的に何/誰について話しているか」を正確に示すために役立ちます。
1. 英語の所有
A. 所有形容詞
所有形容詞は、名詞の前に置いて、その名詞が「誰、何に属するか」を示します。
人称 | 所有形容詞 |
---|---|
I (私) | my |
You (あなた/あなたたち) | your |
He (彼) | his |
She (彼女) | her |
It (それ - 物や動物) | its |
We (私たち) | our |
They (彼ら/彼女ら) | their |
所有形容詞を使う際は、his(男性のもの)とher(女性のもの)の違いに注意しましょう。
- My book is on the table.
(私の本はテーブルの上にあります。) - Your car is red.
(あなたの車は赤いです。) - His phone is new.
(彼の電話は新しいです。) - Her jacket is warm.
(彼女のジャケットは暖かいです。) - Its tail is wagging.
(その動物のしっぽが振られています。) - Our teacher is very kind.
(私たちの先生はとても親切です。) - Their house is big.
(彼らの家は大きいです。)
フランス語とのニュアンスの違い:
フランス語の「son」は男性にも女性にも使えますが、英語ではhis(男性用)とher(女性用)を区別します。
- Paul loves his dog. (ポールは自分の犬を愛しています) → Paulは男性なので「his」。
- Anna loves her dog. (アンナは自分の犬を愛しています) → Annaは女性なので「her」。
ownとby ...selfを使った強い所有の表現
own形容詞は、特定の人が何かを独占的に所有していることを強調したい時に使います。my, your, his, her, our, theirなどの所有形容詞と一緒に使い、所有感を強調します。
- I have my own room.
(私は自分だけの部屋があります。) → 部屋が完全に自分のものであることを強調しています。 - She runs her own business.
(彼女は自分自身のビジネスを経営しています。) → 彼女だけがオーナーです。 - We want to buy our own house.
(私たちは自分たちだけの家を買いたいです。)
on one's ownは「一人で、助けなしで」を意味し、by oneselfと同じ意味です。
- He did his homework on his own.
(彼は自分で宿題をしました。) - She traveled on her own.
(彼女は一人で旅行しました。) - I live on my own.
(私は一人暮らしをしています。)
**by myself / by yourself / by himself...**も同じ意味で使えます。
- I fixed my bike by myself.
(私は自分で自転車を修理しました。) - They built the house by themselves.
(彼らは自分たちで家を建てました。)
B. 所有代名詞
所有代名詞は、すでに述べられた名詞を繰り返さないために使います。所有代名詞の後に名詞は続きません。
人称 | 所有代名詞 |
---|---|
I (私) | mine |
You (あなた/あなたたち) | yours |
He (彼) | his |
She (彼女) | hers |
It (物や動物) | (この使い方はほとんどしません。通常避けます) |
We (私たち) | ours |
They (彼ら/彼女ら) | theirs |
- ❌ This pen is my pen.
✅ This pen is mine.
(このペンは私のものです。) - ❌ Is that bag your bag?
✅ Is that bag yours?
(そのバッグはあなたのものですか?) - ❌ That phone is his phone.
✅ That phone is his.
(その電話は彼のものです。) - ❌ The red coat is her coat.
✅ The red coat is hers.
(その赤いコートは彼女のものです。) - ❌ This is our apartment, and that is their apartment.
✅ This is our apartment, and that one is theirs.
(これが私たちのアパート、あちらは彼らのものです。)
不定代名詞の場合
someone(誰か), everyone(みんな), nobody(誰も〜ない)などの不定代名詞を使う時は、**mine, yours, his...のような所有代名詞を直接使いません。代わりに、「their」**を使って所有を表します。
- **不定代名詞の後は「their」(単数形)**を使い、性別を明示しません。
- Someone forgot their keys.
(誰かが鍵を忘れました。) - Everybody should do their best.
(みんなはベストを尽くすべきです。)
- Someone forgot their keys.
- 不定代名詞の後に所有代名詞は使えません。 普通の文のように「Someone took my book. I think the book is mine.」と言うことはできません。代わりに「theirs」を使います。
- ❌ Somebody took my book. I think the book is mine.
✅ Somebody took my book. I think it's theirs.
(誰かが私の本を取った。きっとそれはその人のものだと思う。)
- ❌ Somebody took my book. I think the book is mine.
"it"に関する所有代名詞
**「it」**に対しては、**所有代名詞「its」**はほとんど使いません。代わりに、文を言い換えます。
- ❌ The house is old. The doors are its.
✅ The house is old. Its doors are broken.
C. 属格(ジェニティブ)
ジェニティブ・サクソン(英語の属格)(通常「's」と表記)は、所有を表現する際に使います。特に人間、動物、または「生き物」と考えられるもの(所有者)に使うのが一般的です。
ジェニティブの作り方
-
単数の所有者には「’s」を追加します。
- John’s book.
(ジョンの本。) - The cat’s bowl.
(猫のエサ入れ。) - My brother’s car.
(私の兄の車。)
- John’s book.
-
規則的な複数形(-sで終わる)の所有者には「’」(sなし)を追加します。
- The students’ classroom.
(学生たちの教室。)
→「students」はすでにsで終わるので、アポストロフィだけを追加します。
- The students’ classroom.
例外もいくつかあります:
- 所有者が2人いる場合は、最後の所有者のみに「’s」を付けます。
- John and Mary's car.
(ジョンとメアリーの車。)
- John and Mary's car.
- 所有者が「s」で終わる固有名詞(Lucas, Alexisなど)の場合、「’」または「’s」のどちらでも使えます。
- Alexis’ car = Alexis’s car
(アレクシスの車)
- Alexis’ car = Alexis’s car
さらに詳しくは、名詞の複数形コースもご覧ください。
ジェニティブの使い所
-
人に対して: 「’s」を使って人の所有物を表すのが最も一般的です。
- Emma’s dress
(エマのドレス) - Tom’s idea
(トムのアイデア) - My friend’s house
(友達の家) - My parents’ car
(両親の車)
- Emma’s dress
-
動物に対して:
- 動物も「生き物」とされるので、ジェニティブを使うことが多いです。
- The dog’s tail.
(犬のしっぽ) - The bird’s nest.
(鳥の巣)
- The dog’s tail.
- あまり親しくない動物(昆虫や野生動物など)には「of」を使っても構いません。
- The legs of the spider.
(クモの足) ただし「The spider’s legs」でもOKです。
- The legs of the spider.
- 動物も「生き物」とされるので、ジェニティブを使うことが多いです。
-
人の集団、団体に対して: 学校、会社、グループにもジェニティブが使えます。
- The government’s decision.
(政府の決定) - The company’s success.
(会社の成功) - The team’s coach.
(チームのコーチ)
- The government’s decision.
-
地名や店に対して: 店や施設について話す時にも「’s」をよく使います。
- The city’s mayor.
(都市の市長) - London’s weather.
(ロンドンの天気) - The baker’s shop.
(パン屋) - I’m going to the dentist’s.
(私は歯医者に行きます。)
- The city’s mayor.
-
時間と期間について: ジェニティブは、時間や期間を表す時にもよく使われます。
- Yesterday’s news.
(昨日のニュース) - A week’s holiday.
(1週間の休暇) - Three years’ experience.
(3年間の経験)
- Yesterday’s news.
-
慣用表現: 一部の表現にはジェニティブが定着しています。
- At arm’s length.
(腕を伸ばした長さ) - For heaven’s sake!
(お願いだから!) - A stone’s throw from here.
(目と鼻の先)
- At arm’s length.
その他(生き物とみなさないものの場合)
無生物の場合は、通常ジェニティブではなく「of」を使います。
- The door of the house
(「The house’s door.」よりも好まれる) - The title of the book.
(本のタイトル) - The color of the car.
(車の色)
ただし、人や人格と関連がある場合や擬人化される場合は、ジェニティブも可能です。
- The car’s engine.
(車のエンジン) - The ship’s captain.
(船の船長) - The country’s economy.
(国の経済)
2. 英語の指示
A. 指示形容詞
指示形容詞は、名詞の前に置いて**物や人が近いか遠いか(距離)**を示します。
4つの形があります:
近い距離 | 遠い距離 | |
---|---|---|
単数 | this (近くのもの) | that (遠くのもの) |
複数 | these (近くのもの複数) | those (遠くのもの複数) |
- This book is interesting.
(この本は面白いです。) - These shoes are mine.
(これらの靴は私のものです。) - That house on the hill is beautiful.
(あの丘の上の家は美しいです。) - Those cars over there are expensive.
(あそこにある車は高価です。)
B. 指示代名詞
this, these, that, thoseを単独で(名詞なしで)使うと指示代名詞になります。これらは、名詞の代わりに物や人を指し示すときに使います。
- This(単数): “This is my seat.” (これは私の席です。)
- These(複数): “These are my friends.” (これらは私の友達です。)
- That(単数): “That is my car over there.” (あれが私の車です。)
- Those(複数): “Those are her children.” (あれらは彼女の子供です。)
- What is this?
(これは何ですか?) - I don’t like that.
(私はそれが好きではありません。) - These are the best cookies I’ve ever had.
(これらは今まで食べた中で一番美味しいクッキーです。) - Those are too far away.
(あれらは遠すぎます。)
口語ではThat’s(That isの短縮形)やWhat’s this?(What is this?の短縮形)もよく使われます。
C. 指示のその他の使い方
this, that, these, thoseは、距離を示すだけでなく、時間を表す、話題を導入する、強調する、意見を述べるなど、様々な文脈で使われます。
時間(現在、過去、未来)について
指示語は出来事の時期を示すためにも使えます。
- this, theseは現在や近い未来に関連します。
- that, thoseは過去や遠い未来に関連します。
- I’m really enjoying this summer.
(今年の夏を本当に楽しんでいます。) → 今まさに体験中の夏 - Those were the good old days.
(あれは懐かしい昔の日々でした。) → 過ぎ去った時代 - That day changed my life.
(あの日が私の人生を変えました。) → 過去の特定の日
形容詞や副詞のニュアンスを和らげる・強調する
thisやthatで、形容詞や副詞を強調したり緩和したりできます。
- This → 強く強調
- I didn't expect the exam to be this difficult!
(こんなに難しい試験だとは思いませんでした!) - Why are you talking this loudly?
(どうしてそんなに大きな声で話しているの?)
- I didn't expect the exam to be this difficult!
- That → 緩和、疑問視
- The movie wasn't that interesting.
(その映画はそこまで面白くありませんでした。) - She doesn’t look that tired.
(彼女はそんなに疲れているようには見えません。)
- The movie wasn't that interesting.
アイデアや話題の導入
this, theseは、新しいアイデアや話題を提示する時に、that, thoseはすでに話題に出ていることや広く知られていることについて使います。
- This is what I wanted to tell you.
(これが私が伝えたかったことです。) → 新しい情報の提示 - That’s exactly what I meant!
(それがまさに私の言いたかったことです!) → すでに述べた考えの確認 - These are my thoughts on the topic.
(これがこのテーマについての私の考えです。) - Those who work hard succeed.
(努力する人が成功します。)
muchとmanyの強調
指示語は、多さや量を強調したり、他のものと比較したりする時に、much(不可算名詞)やmany(可算名詞)と一緒に使います。
- I didn’t expect this much work.
(こんなにたくさんの仕事だと思いませんでした!) - I’ve never seen that many people at the beach.
(あんなに多くの人がビーチにいるのを見たことがありません。)
this muchとthat muchの違い
this muchは、目の前の量や現在の大きな量について話す時に使います:
- I didn’t expect this much work.
(こんなにたくさんの仕事だと思いませんでした!) → 話者が今直面している量が予想以上であること
that muchは、量を相対化したり控えめに表現する時に使います:
- I don't like coffee that much.
(コーヒーはそれほど好きではありません。) → 「that much」は控えめな表現。少しは好きだけど、すごく好きというわけではない。
目の前の状況や今の量について話す時はthis much/this many、他の状況と比較したり控えめにしたい時はthat much/that manyを使いましょう。
muchやmanyの詳細は、不定代名詞コースも参照できます。
結論
英語では、所有は(所有形容詞・所有代名詞・ジェニティブを使って)持ち主を示すために使い、指示は(距離や数量に応じて指示形容詞・指示代名詞を使って)何や誰について話しているかを明確にするために使います。
最も重要なのは、使い分けをしっかり理解することです:
- 所有:誰が持っているのか?(my, your, his, her, our, their, mineなど)
- 指示:何について、誰について、どれくらいの距離なのか?(this, these, that, those)
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